タリンとタルトゥの活気あるアートシーンに触れる

タリンとタルトゥの活気あるアートシーンに触れる

Source: R.Pärnaku

エストニアはインスタジェニックな国です。タリンの中世の旧市街の赤瓦屋根、広大な海岸線の波打ち際、崩れかけたソビエト時代の建築物など、エストニアへの旅は、インスタグラムのアカウントを何年も埋め尽くすほどのビジュアルコンテンツを提供してくれます。(ぜひ、インスタグラムで#visitestoniaや、@visitestoiajapanのアカウントをチェックしてみてください)

エストニアには、インスタグラムの投稿に最適なストリートアートがたくさんあります。特に、タリンとタルトゥでは多くのグラフィティを見ることができます。また、国際的なコラボレーションによりストリートアートシーンが急成長しており、毎年ストリートアートフェスティバルが開催され盛り上がりを見せています。

タリン

タリンでストリートアートを見るのに最適な場所のひとつがテリスキヴィです。倉庫を改装したこの場所には、数多くのショップやギャラリー、レストラン、バーがあります。しかし、タリンにはたくさんの壁画が散在しているので、どこに行ってもストリートアートを見ることができるでしょう。ウォーキングツアーに参加して、タリンのストリートアートについてもっとよく知り、最高のアートを間近で見てみるのもおすすめです。

ストリートアートの象徴的な作品のいくつかは、2017年6月にエストニア建国100周年を記念して開催されたトランスグラフィティ・フェスティバル「Mextonia」の際に誕生しました。これらの巨大な壁画の多くは、メキシコ、エストニア、そして世界各地のアーティストによって描かれたエストニアとメキシコの民間伝承の要素を特徴としています。

エストニアのストリートアート

Photo by: Carol Guttery, Wayfaring Views

新しいストリートアートの取り組みが次々と生まれています。例えば、NGO Mondoは、国際的な気候変動活動家を記念して、「#IshareHerPower」というハッシュタグのもと、4つの作品を依頼しました。また、市は5月末に初めて合法的なグラフィティウォールをオープンしました。

タルトゥ

タルトゥで、インスタ映えするストリートアートをお探しなら、ウォーキングツアーがおすすめです。カラフルなカルロヴァ(Karlova)地区は、タルトゥのストリートアートの中心地です。また、スピリン(Supilinn)周辺にも見どころがあります。この2つの間にあるのがタルトゥの旧市街で、ここにも印象的な作品があります。

国際的なストリートアートフェスティバルであるステンシビリティ(Stencibility)は 2010 年に始まり、毎年タルトゥで開催されます。このイベントの中心にあるのはステンシビリティ・マニフェストで、その一部には、「ストリートアートの目的は、豊かにすることであり、破壊や台無しにすることではありません」、「気に入らない場合は、描き直して改善すること」などが記されています。2022年6月には、欧州文化首都タルトゥ2024のオープニングイベントとして、エストニアのストリートアートのアーティストの展覧会をベルリンで開催しました。

タルトゥのストリートアート

Photo by: Carol Guttery, Wayfaring Views


ストリートアートは、本来、無常なものです。人気のある作品は何年も前からありますが、都市は流動的で、ビルは取り壊され、新しいビルが建てられます。今日撮った作品が明日には壊されているかもしれない、それがストリートアートを探す醍醐味なのです。

美術館に保存されている油絵と違って、コンクリートの壁や橋の下に描かれた壁画は、いつかは永遠に消えてしまうものです。残るのは写真とそれを見た人の記憶だけです。