歌と踊りの祭典では、エストニア民謡のメロディに合わせて、柄物のスカートがくるくると回り、フラットシューズを履いた軽快な足が宙を舞います。色とりどりの民族衣装は、伝統的な過去から受け継ぐデザインです。
エストニアの伝統的な民族衣装は、リネンのシャツや女性用のウールのスカート、男性用のズボン、ニットの靴下、刺繍の入ったアクセサリーやビーズなど、ヨーロッパの多くの地域のものと基本形が似ています。華やかな民族衣装は、結婚式やお祭りなどの特別な日にしか着用されず、日常の服装は農耕生活に適した機能的で飾り気のないものでした。
これらの衣装を特別なものにしているのは、その装飾の細部に込められた意味です。エストニア各地の民族衣装には、衣装の配色や、スカートの縞模様にも意味があります。既婚女性は、髪を隠し、エプロンをしていることで、独身女性と見分けることができました。南東部のセト地方では、花嫁は結婚式で最低2キログラムの銀のアクセサリーを首から下げていました。そして、ブローチや手袋は、身につける人を精霊から守ると信じられています。ハリステ地方では、男性は亜麻の種を蒔きに行くとき、収穫が失敗しないようストッキングを裏返しにして履いていました。
エストニアのほとんどの地域では特別な日以外は民族衣装を着用しないのですが、展示会場では民族衣装を間近に見ることができます。タルトゥのエストニア国立博物館、ヴィリャンディのへイムタリ家庭生活博物館、タリンのエストニア歴史博物館や野外博物館をチェックしてみてください。そして、エストニアの手工芸品をお土産にしたいという方は、ストライプやレースなどの伝統的な要素を取り入れた、地元のアーティストによる現代的なお土産を探してみてください。
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資料と参考文献: Estonica.org, Eestikultuurist